西予市民病院だより「気になる症状は呼吸器外来へ」
西予市民病院だより「気になる症状は呼吸器外来へ」
「外科」は手術で傷や病気を治す分野で、薬による治療を主体とする「内科」とは異なります。
近年、治療対象とする臓器や病気によって外科もさまざまに分類(消化器外科、乳腺外科、血管外科、心臓外科、小児外科など)されており、それぞれの専門家が診療にあたっています。
呼吸器外科は、その名のとおり主に「呼吸器=肺」の病気を手術によって治療する分野です。実際には胸部領域の心臓や食道以外の気管、縦隔(じゅうかく)、胸壁、横隔膜などの疾患にも対応しています。
▼死亡数第一位「肺がん」
われわれ呼吸器外科医が手術を行う代表的な病気は、やはり肺がんです。現在、日本では死亡数第1位のがんで、いわゆる5年生存率も他のがんと比較して悪いとされています。
検診などで比較的早期に見つけることができれば、手術によって完治させることは可能です。しかし、症状が出るなどある程度進行した状態で見つかると、手術はときに困難で、呼吸器内科などで薬(抗がん剤)や放射線の治療が主体となり、その予後は芳しくありません。
その他、肺がしぼんでしまう「気胸」や、他の臓器のがんが肺に転移してくる「転移性肺腫瘍」、縦隔や胸壁、横隔膜から発生する良性も悪性も含めた腫瘍も手術対象となります。
現在、愛媛県には呼吸器外科の専門医が約20人います。多くは中予地区の病院に在籍していますが、私も月に2回程度、西予市民病院で診療しています。相談などありましたら、受診していただければと思います。
(呼吸器外科専門医 重松久之)
※西予市民病院だより(広報せいよ9月号より)